不動産売買契約は解除できる?主な3つの方法を解説
不動産の売買契約を締結した後に、自己都合や予期せぬ事情の変更によって契約を取りやめたい状況が生じることがあります。
不動産売買契約は当事者間の合意によって法的な拘束力が発生するため、理由なく一方的に取り消すことは原則として認められません。
本記事では、不動産売買契約の解除について解説します。
不動産売買契約を解除するおもな3つの方法
不動産売買契約を適法に解除するためには、法律上の要件や契約書に定められた特約条項を満たす必要があります。
主な3つの解除方法について確認していきましょう。
買主の手付放棄または売主の手付倍額償還による手付解除
不動産売買契約を解除する方法として、買主の手付放棄または、売主の手付倍額償還による手付解除があげられます。
不動産の売買契約時には、契約締結の証拠や解約権の留保を目的として、買主から売主に対して手付金が交付されることが一般的です。
この手付金は民法上、解約手付と推定されるため、相手方に契約違反がない状態であっても所定の条件を満たせば一方的な意思表示によって契約を解除することができます。
当事者の一方に契約違反がある場合の債務不履行解除
不動産売買契約を解除する方法として、契約の相手方に法的な義務違反がある場合の債務不履行解除があげられます。
売買契約が成立した後は、買主には売買代金の支払義務、売主には物件の引渡しおよび所有権移転登記義務といった法的義務が生じます。
買主が期日までに代金を支払わない場合や、売主が物件の引き渡しを不当に拒むなど正当な理由なく義務を果たさない場合、債務不履行を理由として契約を解除することができます。
手続きとしては、相手方に対して相当の期間を定めて義務の履行を催告し、その期間内に履行がなされない場合に初めて契約解除の通知を行います。
債務不履行による解除が成立した場合、契約は初めから存在しなかった状態に戻り、受領済みの金銭を返還する原状回復義務が生じます。
あわせて、契約書の規定に基づき売買代金の10パーセントから20パーセント程度に相当する違約金を請求したり、被った損害の賠償を請求したりすることが可能です。
融資の不承認時に無条件で解除できるローン特約による解除
不動産売買契約を解除する方法として、金融機関からの融資承認が得られなかった場合に適用されるローン特約による解除があげられます。
住宅ローンが不承認となった場合に手付放棄や違約金の負担を負うことは買主にとって酷となります。
そのため、買主が住宅ローンなどの融資を利用して物件を購入する場合、売買契約書に融資利用の特約を盛り込むのが一般的です。
ローン特約に基づいて契約を解除した場合、売主はすでに受領している手付金を全額無利息で買主に返還しなければならず、違約金や損害賠償が発生することはありません。
特約による解除を有効に行うためには、契約書に定められた融資承認取得期日や解除権行使期日までに、金融機関の不承認通知などを添えて売主へ正式に通知することが必要です。
まとめ
今回は不動産売買契約を解除するおもな3つの方法について解説しました。
不動産売買契約は、手付放棄や倍額償還による手付解除、相手方の契約違反に伴う債務不履行解除、融資不承認時のローン特約による解除といった方法で終了させることができます。
解除方法ごとに期限や金銭的な負担が大きく異なるため、契約書の条項を事前に確認した上で適切に対処してください。
当事務所が提供する基礎知識02
-
自己破産の流れ
自己破産は、債務や財産を清算し、生活の建て直しに向けて一歩踏み出すための重要な制度です。では、自己破産はどのような流れでなされるのでしょうか。 ■申立て破産手続きは、まず裁判所に自己破産の申立てをすることが前提 […]

-
離婚協議書を公正証書...
離婚時に取り決めた養育費や財産分与は、公正証書にすることで法的な効力を強めることができます。特に強制執行認諾文言を付けることで、支払いが滞った場合に速やかな対応が可能となります。本記事では、公正証書として残すメリットと実 […]

-
不動産売買・契約トラ...
不動産契約の際には、約束したことについて履行がされていなかった、聞いていた内容と違ったなどのトラブルが生じえます。たとえば、入居前に一度掃除をしてほしいと頼んだのにされていなかった、鍵の交換をしてくれると聞いていたのに古 […]

-
遺留分侵害額請求権と...
相続において遺言により遺産をほとんど受け取れなかった場合でも、一定の相続人には最低限の取り分を請求できる権利があります。それが遺留分侵害額請求権です。本記事では遺留分侵害額請求権の基本から手続き方法、時効に関する注意点ま […]

-
離婚の調停調書とは?...
離婚の調停調書は、確定判決と同一の効力を持つ重要な法的書面です。今回は、調停調書の届くタイミング、注意点などについて解説します。離婚の調停調書とは?離婚の調停調書とは、家庭裁判所の調停委員会が、当事者間の合意に基づいて作 […]

-
悪徳商法・詐欺問題で...
悪徳商法や詐欺問題で弁護士に依頼できることとしては、まず加害者との和解、返金交渉が挙げられます。悪徳商法や詐欺を行う業者は繰り返し行っている者も多く、被害者とのトラブルに慣れているということも少なくありません。また、トラ […]

よく検索されるキーワード03
弁護士紹介04
当事務所のホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
これまでの様々な経験から、ご相談者様の痛みが分かる弁護士として、お悩みに親身になって対応致します。 個人の方からの各種ご相談はもちろん、企業の知的財産をめぐる問題に豊富な経験と確かな実績がございます。
〈 東京弁護士会/日本弁理士会 〉
弁護士 冨永 博之
-
- 経歴
-
- 香川県東かがわ市出身(昭和22年3月17日生)
- 昭和46年3月 東京大学工学部船舶工学科修士課程修了
- 同年4月 佐世保重工業株式会社入社(昭和62年10月に退社するまで、大型船の船型設計、開発に従事)
- 平成7年4月 弁護士登録(47期、登録番号24031)、野上法律特許事務所入所
- 平成15年2月 弁理士登録(登録番号12680)、冨永法律特許事務所設立
- 平成7年4月~現在 東京弁護士会知的財産法部会所属
- 平成12年4月~令和2年3月 (民暴委員)
- 平成16年4月~平成30年3月 (調停委員)
-
- 著書
-
- 知的財産権用語辞典(共著) 日刊工業新聞社
- 知的財産法重要判例(共著) 学陽書房
- 不正競争の法律相談(共著) 学陽書房
事務所概要05
| 事務所名 | 冨永法律特許事務所 |
|---|---|
| 代表弁護士 | 冨永 博之〈 東京弁護士会/日本弁理士会 〉 |
| 所在地 | 〒101-0047 東京都千代田区内神田2-5-2 信交会ビル2階 |
| 電話番号 | 03-5297-2130 |
| FAX | 03-5297-2131 |
| 営業時間 | 9:30~17:30〈 事前予約で時間外も対応 〉 |
| 定休日 | 土・日・祝〈 事前予約で休日も対応 〉 |
| 相談料 | 初回法律相談無料 |