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共同親権の導入で変更される点とは?

2026年4月に施行された改正民法により、日本でも離婚後の共同親権が選択できるようになりました。

これまで離婚後は単独親権のみとされていましたが、父母の協議により共同親権か単独親権かを選べる制度へと変わりました。

本記事では、共同親権制度の導入で何が変わったのか、具体的なポイントを解説します。

離婚後に共同親権または単独親権を選択できる制度へ

2024年5月24日に、離婚後の親権制度を見直す民法等の改正法が公布されました。

この改正により、施行後は父母の協議によって、共同親権または単独親権を選択できる制度へ変更されました。

これまでの単独親権制度

従来の民法では、離婚後は父母のどちらか一方のみが親権者となる単独親権制度が採用されていました。

親権を持たない親は、子どもの教育や医療などの重要な決定に関与できず、面会交流の機会も限定的になる傾向がありました。

改正後の選択制の仕組み

民法改正により、離婚後も父母の協議によって共同親権または単独親権を選択できるようになりました。

子どもの利益を最優先に考え、父母双方が養育に関わり続けることができる環境を整えることが目的です。

ただし、DVや虐待のおそれがある場合など、共同親権が子どもの利益に反すると認められる場合には、家庭裁判所が単独親権を定めることができます。

急迫の事情における単独親権行使のルール明確化

共同親権を選択した場合でも、緊急時には柔軟な対応ができるよう、単独で親権を行使できる場合が明確化されました。

以下のような場面では単独で親権を行使できます。

子どもの利益のための緊急対応が必要な場面

共同親権の場合、原則として父母双方の協議が必要ですが、子どもの利益のために急を要する事情がある場合には、父母の一方が単独で親権を行使できることが法律で明確化されました。

これは、緊急時に他方の親と連絡が取れない場合や、連絡を待っていては子どもに不利益が生じる可能性がある場合を想定したものです。

具体的な適用場面

子どもが急病で緊急手術が必要な場合や、事故による入院などの緊急事態では、他方の親の同意を待っていては子どもの生命や健康に重大な影響が生じる可能性があります。

このような急迫の事情がある場合には、連絡が取れる親が単独で医療同意などの親権を行使できます。

これにより、子どもの安全を最優先にした迅速な対応が可能となります。

子の養育に関する重要事項についての協議義務

共同親権を選択した場合、子どもの養育に関する重要な事項については、父母が協議して決定することが求められます。

父母の協議が必要な事項

共同親権を選択した場合、子どもの進学先の決定、就職に関する判断、高額な医療行為の実施、居所の指定など、養育に関する重要事項については父母の協議および合意形成が義務付けられました。

これらは子どもの将来に大きな影響を与える決定であるため、両親が責任を持って話し合い、合意することが求められます。

一方で、日常的な事項については、各親が単独で判断できるため、日々の子育てに過度な負担が生じない仕組みとなっています。

協議が整わない場合の対応

父母間で協議が整わない場合や、協議をすることができない場合には、家庭裁判所に調停や審判を申し立てることができます。

裁判所は子どもの利益を最優先に考慮し、客観的な視点から適切な判断を行います。

共同親権導入により想定される実務上の変化

共同親権制度の導入により、離婚後の親権行使のあり方にも変化が生じることが想定されています。

従来の単独親権制度とは異なり、離婚後も父母双方が一定の形で親権に関与する場面が増えるためです。

離婚後も父母間の情報共有が重要になる

共同親権を選択した場合、子どもの生活状況や教育、健康状態などについて、父母間で情報共有を行う必要性が高まると考えられています。

 特に、進学や転居、医療など重要事項については、双方が状況を把握しながら対応することが求められる場面があります。

一方で、父母間の関係が悪化している場合には、情報共有や意思疎通そのものが負担になるケースも想定されています。

共同親権が難しいケースもある

共同親権は、すべての家庭に一律で適用されるものではありません。

 DVや虐待のおそれがある場合や、父母間で適切な協議を行うことが困難な場合には、単独親権が選択されるケースもあります。

また、父母間で意見対立が生じた場合には、家庭裁判所が子どもの利益を踏まえて判断を行うことになります。
そのため、共同親権制度では、父母双方が継続して協力できる関係にあるかどうかも重要な要素になると考えられています。

まとめ

2026年4月に施行された改正民法により、離婚後の親権制度が大きく変わりました。

共同親権か単独親権かを父母が協議して選択できるようになり、子どもの養育に関する重要事項についても双方の協議が求められます。

急迫の事情がある場合には一方の親が単独で親権を行使できるルールも明確化され、柔軟な対応が可能です。

また、養育費の法定化や強制執行の簡素化、面会交流の促進など、子どもの利益を守るための仕組みが整備されました。

共同親権制度は、離婚後も父母双方が子育てに関わることを可能にする一方で、協議や合意形成の負担も伴います。

自身の状況に応じた最適な選択をするためには、弁護士への相談が有効です。

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〈 東京弁護士会/日本弁理士会 〉

弁護士 冨永 博之

  • 経歴
    • 香川県東かがわ市出身(昭和22年3月17日生)
    • 昭和46年3月 東京大学工学部船舶工学科修士課程修了
    • 同年4月 佐世保重工業株式会社入社(昭和62年10月に退社するまで、大型船の船型設計、開発に従事)
    • 平成7年4月 弁護士登録(47期、登録番号24031)、野上法律特許事務所入所
    • 平成15年2月 弁理士登録(登録番号12680)、冨永法律特許事務所設立
    • 平成7年4月~現在  東京弁護士会知的財産法部会所属
    • 平成12年4月~令和2年3月 (民暴委員)
    • 平成16年4月~平成30年3月 (調停委員)
  • 著書
    • 知的財産権用語辞典(共著) 日刊工業新聞社
    • 知的財産法重要判例(共著) 学陽書房
    • 不正競争の法律相談(共著) 学陽書房

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